FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

工房のこと―不易流行―




5代にわたりものづくりを営む
漆工芸・大下香仙工房は
明治27年に創業して、124年となります。

今年は加賀商工会議所創立50周年記念式典にて
創業100年企業として顕彰いただきました。

先代方の日々の一つ一つの積み重ねが
今の私たちに繋がっていることに
感謝の思いで仕事に励んでいます。

時流の好みにより、変遷を続ける蒔絵。
先代たちは、何を見て動き、何を考え選択していたのでしょうか。



14.jpg



初代大下雪香~2代目は、漆器だけではなく、
文机や硯箱などの調度品もオーダー制作していました。
このような当時の型紙が今も残っており、
他にも歌がちらばる意匠(葦手)のものもあります。

この時代は、図案屋さん(絵師)が
図案をたくさん抱えて売りにきたと言います。

風呂敷に包んで、漆の産地を訪ね歩いたのでしょうか。
今のように、書籍・インターネットがない時代。
きっととても大きな存在だったのだろうと想像します。



S__56008708.jpg



これは3代目の器。「女郎花(おみなえし)」が描かれた平皿と
「突羽根」(写真4枚目)の小皿です。
作品たちの配色は、どこか近しく、時代の境を感じさせない印象です。

「突羽根(写真4枚目)」は、よく見ると葉脈の箇所に、
筆を使ってかすれたタッチで表情を出しています。
この筆跡は職人一同唸るほどです。

時代的には、大正から昭和にかけてでしょうか。
初代~2代目の頃と変わり、ものづくりは
漆器、お棗などのお茶道具の制作へと転換していきます。

残っている型紙から、エーゲ海の雰囲気のある衣装なども
手がけていたことが分かりました。
それは、商売用だったのか
ライフワークのようなものだったのかまでは分かっていません。

現在4代目~5代目は、自分たちで売り場を作り展開をしていますが
4代目初期以前は商人さんからの依頼で生産する
流通形態だったのだろうと推察しています。



ブログ4



そして、現在の4代目5代目の作品たち。
4代目は、お茶道具作家として、お棗や香合(写真参考:駱駝の香合)等を制作、
まさに茶道具市場の全盛期にあり、万年筆制作の依頼も携わり始めました。

5代目は、その茶道具や万年筆の生産とデザインにも携わりながら
新たに装身具も手がけて13年。
ジュエリーブランド「Classic Ko」を立ち上げ、約10年程になります。
新作蒔絵ジュエリーのデザインやブランド及び工房として
何を作り出していくかなど総合ディレクションを手がけ
新しいものづくりを生み出せる蒔絵工房の創出に尽力しています。

硯箱や文机、漆器、お茶道具、ジュエリー。
蒔絵の変遷とは、ものづくり、流通、デザインに加えて
素材である漆、蒔絵筆などの道具、金粉の値段などの変化もありました。

とてつもなく早いスピードで、物事は変化します。
一方、ものを作るスピードには限りがあります。

変えられないこと、変えれること。
伝え繋げる場やものづくりを
変革し続けながら
「蒔絵と社会」という伝統工芸の在り方を
考え続けていきたいと思います。



ブログ2







関連記事

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。