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甲府へ「清春芸術村」

6月、スパイラル・ショウケースでのイベントを終えて間もなく、
甲府まで車で走る。

毎年恒例になりつつある甲府への石選びと、
制作を共にしている貴石彫刻オオヨリの大寄氏を訪ね、
創作ディスカッションするためだ。


こちらでの収穫は秋以降の展示会で、随時新作や一点ものとして発表していきたいと思っているので
どうぞお楽しみに。



さてその帰り道、せっかく甲府まで来たのだからと、
とあるガイドを開いて気になっていた場所があった。

清春芸術村だ。


清春芸術村とは、清春白樺美術館のある
有料アトリエと図書館などからなる文化複合施設
とある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/清春白樺美術館
http://www.kiyoharu-art.com
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清春芸術村及び清春白樺美術館は、
武者小路実篤や志賀直哉を始めとする白樺派同人による美術館構想を、
親交のあった吉井画廊社長(当時)の吉井長三が私財を投じて実現した。
そうだ。
(更に詳しくは上記リンクのwikipediaをご参照ください。)



お恥ずかしながらそれまで「白樺派」もよく知らず、
ただただ冊子の写真に写っていた建物に魅かれた。



中央自動車道の長坂インターチェンジを降りて少し走る。

高低差のある山谷をいくつか越えると、最後の小山を越えた後に、
写真にもあったアトリエ「ラ・リューシュ」がバッと見えてくる。

その外観を見てとても心躍る思いが広がる。
フランス・パリ、モンパルナスのアトリエ「ラ・リューシュ(蜂の巣)」
を模したその建物に
唐突に心をつかまれた。

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よく調べると、この建物はパリの象徴としてあまりにも有名な塔の設計者、
ギュフタース・エッフェルによる設計とある。

なるほどと、深い納得。



パリ万博の際にワインのパビリオンとして建設された後は
モンパルナスに移築され、共同アトリエとして改装される。
シャガールやモジリアニなどの巨匠が住んでいたそうだ。
(※この地にあるのはその再現)
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そう知っただけで、
純粋に美術・芸術を追求してきた頃の気持ちに
久しぶりに触れられた気がした。



そしてこの施設群の中には宗教画家ジョルジュ・ルオーを記念した礼拝堂があり、
梅原龍三郎が日本にルオーの絵を持ち込んだ第一人者であった事を知る。
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ルオーの絵は好きだ。

ルオーの絵は技巧的でなく、

筆跡の大胆さと勢い、

劇的な空間を感じさせる明暗対比によって生み出される

信仰にも似た吸引力を。


小手先の描写からは決して感じない
真理の重さのような物をそこから感じ取る事ができる。


そう言った絵は大体において気持ち悪さもあるのだが、
(ごめんなさい)
ルオーの絵にはそれがない。

この白樺派が夢見た芸術村構想・ユートピアには
その純真さにも似たビジョンだったのかな。
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私が訪れた時は、他に誰一人として観光客がおらず。

静かな時が流れ、
そよ風の中にうぐいすのさえずりが聞こえてきた。

暖かな陽気の中、
この地に美の理想を求めた頃のままなんだろうな。

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